2006年06月26日

権利処理あれこれ〜その1.雛形が必要であること

 そろそろ今年のワークショップの詳細な準備に取り掛かる時期になりました。昨年はある程度の予想を立て、各権利者団体、企業等へ事前交渉をしていたのですが、それでも突然発生する出来事に大慌てしました。今年はその教訓を生かし、申請書類の整理整頓も含めて事前に対応できるものはこまめに作っておこうと思っています。

 昨年の参加生徒の感想には、著作権処理は大変だという感想とともに、「普通では体験できないこと」として、申請書や許諾書の書き方、礼状の書き方などの指導を上げている生徒がたくさんいました。申請書等の記載事項の説明もあわてたもののひとつでした。
 よく考えれば、会社の業務でもいきなり「これの申請許諾書作って」といわれたら戸惑うでしょう。業務内容と必要事項がわかっていなければ、相手に何をどう説明し、何の権利についての許諾をもらうのかわかりませんし、見たことなければ形式すらわからないかもしれません。時候の挨拶を入れるのか、返信用封筒を入れるのかなど考えればわかるのかもしれませんが、経験がないのに想像力だけでそれらを補うことは出来ません。まして、中高生です、わからなくて当然ですよね。ワークショップ途中であわてて申請許諾書の雛形を作成し、記載すべき事項の解説をしました。
 申請書において重要な点は
 [1] 自分たちが何者で何をしようとしているのか
 [2] 許諾を求められた相手は、何をしたらいいのか
が、即座にわかることです。そして、さらに親切なのは、書面の場合は署名捺印だけすればいいようにあらかじめ許諾書も準備しておくこと、そして返信先を記載した封筒を同封することです。本当に当たり前のことなんです。言われれば、あ、そうだよねと気が付くし納得も出来ることです。大切なのは、実際に記載してみるという体験なのです。
 ある意味においてこれは「甘やかしている」ことですし、必ずそのフォーマットに則らなければ記載不備で受理されない(形式審査的な)ものでもないのですから、任意の形式にしておけばいいのかもしれません。しかし私はなるべく使いやすい環境というのを提供したいと思うのです。めんどくさいでもややこしいでも理由は何でもいいけれどとにかく権利処理を敬遠するというのなら、まずはその敷居を下げてやることが大切なのではないかと思うのです。そういうところから(他人の)著作物への理解を広めていってもらえればと思います。実際申請書に記載する「作品の概要」等の記述はすべて生徒に任せたのですが、どのグループも非常によくまとまった文章で、頂いた方も気持ちよく許諾できるのではないかと思いました。
 また、今年は権利者団体等の既成申請書(楽曲の使用など)についても、記載例を作成しようと思っています。
 一定情報と環境を整えれば、難しい法律論の理解ではなく、もっと身近に著作物を理解できるのではないか、今年もそう思って取り組んでいきたいと思います。

(え)
posted by 著作権イベント実行委員会 at 12:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 権利処理実務

2006年06月08日

いよいよ・・・

 おかげさまで今年度「実践!著作権」参加募集は5月31日に締め切らせていただきました。お問い合わせ、ご関心を寄せていただきました皆様にはこの場を借りて御礼申し上げます。今年の参加校につきましては、まもなく発表いたしますので、しばらくお待ちください。
 去年は公募期間が短いにもかかわらず、応募してくれた学校はどこもすばらしい生徒達ばかりでした。応募用紙に制作したい映像作品のあらすじを記載させるのですが、どれも表現したいことがはっきりしており、大変驚きました。特にある中学校の作品あらすじは非常にしっかりしたストーリーで、一瞬何かの焼き直しか?と疑うほどでした。今年はどんな作品になるのでしょう、今から楽しみです。
 楽しみと言えば、今年の応募校の皆さんは著作物の借用に積極的だと聞いています。使えるか使えないかはさておき、(他人の著作物を)使ってみよう、使ってみたいと言うところから実際的な著作権の理解は始まると私は思っています。その意味で、今年は先生も交えて、さらに理解の幅を広げられるのではないかと思っています。
 私の個人的な楽しみも増えそうで今からわくわくしています。私の楽しみ、それは「権利処理」です。あまりこの楽しみは理解されないようなのですが、参加する生徒達の「アレも使いたい」「これはどうなの?」という質問が今から待ち遠しいくらいです。使えることを保証しているわけではありません。使えないことは当然あります。でも「たぶんだめだよね〜」と思ってあきらめるより、「つかえるかもしれない」と思って交渉することは必要だと思います。それで使えなくたって「多分だめだよね」と思っていたのなら同じ事ですから。そして交渉の過程を通して、なぜだめなのか、なぜOKなのかということから「著作物」と「著作権」が身近なものになると思います。単なる知識としてではなく、体験としての「著作権」として。

 参加校については、6月下旬を目処にお知らせいたします。

(え)
posted by 著作権イベント実行委員会 at 14:34| Comment(0) | TrackBack(0) | お知らせ