2006年05月23日

残りあと一日であきらめかけたが写真の使用申請をして許諾されました。

 ワークショップも残り1日というときに生徒が「この写真使いたいんですけど、もう時間もないから無理ですよね」と相談にきました。神戸市で開催された会議のもので、ワークショップに参加している高校の生徒が会議に出席していたのです。ワークショップ後半で、作品の構成を再考するうちに、写真があるほうがよいと思ったのでした。
 実際に放送番組や映像作品を作っているときにも、編集中に映像や資料を差し替えたり、追加したりというのはよくあることです。そのたびに現場のプロデューサは著作権部と相談したり、権利関係を調べたりします。権利者に電話で了承をもらい後日書類を送付したり(口約束は後日の紛争の元になるのできちんと書面で確認を取ることが原則。但しこの原則が往々にして守られないから、問題が起こったときに大事になる。)と大童です。
 さて、ワークショップですが、残り1日とはいえ、最終日には作品を完成させなければなりませんから、権利処理が出来るのは最終日午前中まで、相手の事務所の営業時間を考えると、交渉時間は5時間にも満たない状況でした。さすがに許諾がおりない場合のリスクを考え、「今日の6時までに回答が得られない場合は使用しない」ということで交渉することを生徒に提案しました。ホームページにメールアドレスがあったため、まずはメールを送り、ついで事務所宛に電話連絡を行いました。同時に生徒は使用依頼の文書を準備して、先方と連絡が取れたらすぐに送付できるよう待機しました。
 幸い、当日中に先方と連絡が付き、こちら側の制作日程の事情を説明して、使用の許諾を頂きました、写真に写っているほかの出席者の肖像権については、事務所が予め使用について許諾を撮った写真であることもわかり、権利処理も問題ありませんでした。
 こうして生徒から使用の相談からわずか3時間足らずで無事許諾され、生徒作品は完成しました。

 こういう瞬間に「ああ、権利処理やっててよかったなー」といつも思います。もちろん余裕を持って相談にこられればこちらも安心です。でも作品は「生き物」なので、どうしても編集しているうちに変化していきます。編集するうちに、突然別の素材が必要になることもよくあります。「なくても何とかなる。でもこの素材があったらもっとすばらしい作品になる」と制作者が思っているときに、それを(法的に)使えるように何とか手を打つ。これが権利処理の醍醐味なんですね。
 面倒くさいとか大変とか思われるかもしれませんが、やってみると奥が深くて面白いんです。今年のワークショップでもいくらでも喜んで権利処理しますし、そのノウハウもお教えしますので、ぜひご参加くださいね。

(え)
posted by 著作権イベント実行委員会 at 13:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 平成17年度実践!著作権

2006年05月11日

NASAに手紙を書いてみました

 スペースシャトルの映像を使いたい場合、NASA(アメリカ航空宇宙局)に使用申請を送ります。NASAはホームページの「教育利用」(educational use)のところをみていただくとわかるのですが、教育目的の場合は非常に寛大な利用を認めています。しかし「教育目的」に該当するかは非常に厳しい制約があって、第一にNon-commercial(非商用)であること、次に使用したい映像や写真はNASAから借用することが条件となっています。
http://www.nasa.gov/audience/formedia/features/MP_Photo_Guidelines.html
http://www.hq.nasa.gov/office/oer/japan/aboutnasa/library/library_f.html

 昨年度のワークショップでは、スペースシャトル船内のラボの映像の使用を考えたグループがありました。スペースシャトルのラボ内で宇宙飛行士が手を放すと、かごから飛び出たカエルがふわふわと部屋の中を「泳ぎ回る」というものです。
実はこの映像はNHKから借用した映像ですが、もともとはNASAから提供された映像です。ということは、使用に際しては、映像を貸してくれた(放送した)NHKと、NASAの許諾の両方が必要となります。 
このイベントでは、限定50枚とはいえ、定価をつけ販売し、制作者(グループ)は「著作者印税」まで受け取るのですから、「著作権教育の一環」とはいえ、 NASAの規定する「非商用」の「教育利用」に該当するか確認しなければなりません。また、NASAから直接素材を借用することも条件ですが、今回は映像をNHKから借りています。とするとこの点についてもNASAの了解を得なくてはなりません。
そこで生徒達は、NASAにメールを送りました。メールには、[1]自分たちが何者であるか、[2]なぜこの映像が必要か、[3]このイベントの目的はどういうものか、[4]映像はNHKから借りて使用してよいか、という4点を明記した上で、さらに「NASAの規定する非商用の教育利用に該当するかわからないが、映像使用を無料にしてくださいとお願いしました。時間が限られていますから、みんな辞書を片手に一晩で書き上げました。もちろん英語です。
 (担任の先生もびっくりしていました。)

私が権利処理の仕事に携わっていたときもNASAの映像使用について何度か使用申請をしました。私の経験ではNASAは、NASAの規定する「教育目的」に合致する場合は、返事が来ないことも多いのですが、一般市販DVD等に使用する場合には必ず詳細の照合が来ました。教材ビデオなど教育目的ではあるけれど定価を付けて販売するような場合は特に注意して依頼書を送っていたものです。

 残念ながらこの映像は編集の過程でカットされましたが、きっと良い体験になったのではないでしょうか。


(え)
posted by 著作権イベント実行委員会 at 11:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 平成17年度実践!著作権

2006年04月29日

去年の様子を少しずつ・・・

 平成18年度の取り組みもいよいよ本格化してきたので、去年の様子を少しずつUpしていきたいと思います。もうすぐ高校枠の参加公募が始まります。このブログをみて、興味を持ってくれればうれしいです。

 ということで、去年参加した生徒達がどんなことをしていたか、少しずつ紹介していきたいと思います。
 最初にお断りしておきますが、このイベントに参加した中学生、高校生は、「著作権」ということについて学校で習う程度の知識はありました。また、個人でHPを持っていた生徒はもうちょっと知識がありましたが、基本的には、みんな「権利処理」なんてしたことがないという生徒達ばかりでした。
 そんな生徒達が、自分たちの作品を作るために、こんな事を実際にやったんです。もちろん私たちも色々サポートしました。でも最終的には彼らは自分たちでクリアしたのです。
 例えば去年の事例では、こんな事がありました。
 ・スペースシャトルの船内映像の使用許諾をNASAに送りました。
 ・川嶋あいやMIの曲を使いました。
 ・NHKやMBSの映像を使いました。
 ・商業用フォントを交渉して使用料を無料にしてもらいました
 
このイベントの大前提は「何でも使いたいものを使ってみよう」です。
 J−popでも、ハリウッド映画の1シーンでも、TV番組でも、自分たちの作品に「これを使いたい」と思ったら、「使えるわけないよね」なんて思わないでください。
 普通授業では権利処理に費やせる時間も人数も限られていますから、「無理っぽい」ものは最初から対象にしないと思います。また、「授業で使用」する場合はいくつかの条件をクリアすれば、権利処理の必要なく使えますから、もしかしたら使える・使えないを意識していないかもしれません。
 このイベントの目的は「映像作品を制作」して「販売する」という過程を通じて、著作権について学ぼうというものですから、授業の範囲ではありません。普通の市販DVDの制作と同じ事をやるということになります。また、今後自分たちで映像作品を制作したり、自分のHPを作成するときに必要なことでもあります。
 もちろんNGもあります、手続きもちょっと面倒くさいかもしれません。
 でもやってみたら案外うまくいくものなのかもしれません。これからご紹介することを読んで、少しでも著作権や「権利処理」について身近に感じていただければと願っています。

(え)
posted by 著作権イベント実行委員会 at 13:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 平成17年度実践!著作権

2006年04月13日

平成17年度報告書が出来上がりました。

平成18年度開催に向けて着々と準備を進めております、『実践!著作権』ワークショップですが、ようやく昨年度の報告書が完成しました。
報告書作成までに、日本教育工学会等でカリキュラムの一部などを発表してきましたが、ようやく全体を俯瞰できるものがまとまりました。
これからブログで昨年度の様子として、一部紹介していきたいと思います。
関係各位には送付しておりますが、このHPをご覧になった方で、ご興味がありましたら、ご連絡ください。送料実費ご負担いただければ、ご送付いたします。なお数に限りがありますので、ご連絡いただいてもお送りできない場合もあると存じますが、ご了承ください。

(え)
posted by 著作権イベント実行委員会 at 13:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 平成17年度実践!著作権